シャマン太鼓

こんにちは、シャマナを主催している薩仁 高娃(読み方:サランゴワです。)

私は内モンゴル出身です。当時現地で放映されていたテレビドラマ「おしん」を見て日本の興味を持ち、1999年に日本に来ました。そして、2011年に千葉大学大学院、人文社会科学研究科で内モンゴル東部ホルチン地方のシャマニズムを研究して、学術博士号を取得しました。様々なシャマンに会い彼らの生い立ちや、どのような世界が見えているのか、様々な研究を重ね、2019年8月19日には(牧歌舎)から『ブォ・シャマニズムの現在―内モンゴル・ホルチン地方の新地平』を上梓しました。ここではシャマニズムについて色々とお伝えしていきたいと思います。日本に来て随分と時間が経過しましたが、まだまだ日本語が未熟な点があり、適切な表現が出来ていないこともありますがご了承ください。

太鼓は、人類最古の楽器と言われています。ユーラシア大陸では、太鼓は、シャマンが守護霊を呼び寄せるために欠かせない存在です。太鼓の形が様々であり、長い歴史の中で、その形と太鼓の面に描かれる絵がいろいろ変遷を遂げてきました。その絵は、世界観や神話を表わしたものが多いです。太鼓は、守護霊を呼ぶためにメッセージだけでなく、悪霊を追払う道具でもあります。また、相談者の状況に応じて、たくさんの守護霊の守護が必要なとき、シャマンは、集めてきた守護霊たちを太鼓に憑依させることがあります。太鼓にも太鼓の主、すなわち、精霊が宿っていると考えられています。そのため、太鼓に命があると言われます。内モンゴル・ホルチン地方では、シャマンの癒しを求めて相談者が来るときに、太鼓が自ら鳴ることもあります。あるシャマンが、数ヶ月間、太鼓を手に取ることがなく、守護霊を呼んで体に降ろしていなかったので、ある日、太鼓の喉が渇いたという夢を見たそうです。それは、太鼓を使って、守護霊を呼びなさいというメッセージだとシャマンが受け止めました。これは、太鼓を擬人化した夢であるが、太鼓に憑依する守護霊、あるいは、シャマンの守護霊からのメッセージとして考えています。シャマンは、守護霊を受け入れた以上、守護霊を定期的に呼んで体に憑依させることが守護霊に求められています。その義務を履行しないとこのようなメッセージを受けたりします。

世界観が描かれたシャマン太鼓、ネットから

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