前世その7―「前世では、相談者の前世を見せていました(前世療法を行っていました)」
土日から、1240年代と50年代にモンゴルに旅行したカルピニとルブルク著『中央アジア・蒙古旅行記』の日本語版からモンゴル語に重訳された(1983年出版)本を再読しております。ゲシグネ(gexigune)という植物が登場してきますが、どのような植物を指しているかわからなかったので、手元にある、2つのモンゴル語辞典を調べても載っていません。微信チャットの植物グーグルで答えを求めたところ、すぐに返事を下さったのは、今回の主人公です。ちなみに、ゲシグネとは、薬草の大黄のことです。
牧民のセリグレン(仮名、1981年生、男性)は、小学校4年卒業。
(以下の記述は、セリグレン本人の語りに基づいています)
学業を中断した原因は、頭痛でした。幼児の時から頭痛がひどくて、様々な治療を受けても治らなかったです。頭痛がひどくなると、ある種の幻覚状態になります。いろいろなものが見えます。そこに前世の日常が見えたり、村のどこかの場所で以前起きたことやこれから起こることが見えたりします。また、よく夢を見ます。白い髭の老人が現れていろいろ教えてくれます。その中に故郷の山にある薬草を使った治療方法が多く含まれています。それが原因で、山の中で、10年間暮らしました。そして、自然から教わったものが多いです。自然は、素晴らしいです。人格と心を高めていけば、自然がいろいろ教えてくれます。
自分は、知覚がよく、探求心も旺盛で、よく独学もします。これは、前世での修行の蓄積のおかげです。そうでなければ、いろいろな知識と治療方法を身に付けることができません。しかしながら、前世で身に付けた技術を、現世でそのまま再現できるわけではありません。頭痛が起きた時、前世では、現在のヒンガン(興安)盟にあった寺院と、現世で生まれた村にあった寺院のラマだったことを分かりました。現在、これらの寺院は、存在しないが、跡が残っています。よく行きたくなるので、行くと、気持ちが非常に落ち着き、心よりうれしく思います。旗(地方の行政単位)の現役の高僧と、過去の6、7回の前世で師弟関係にありました。そのため、自分は、現世では僧侶ではないですが、高僧と仲が良く、よくお会いします。
10代の時、激しい頭痛に襲われたとき、前世で、相談者の前世を見せていた自分を見ました。前世を見せるとき、まず、前世療法を行おうとしている人の最愛の人を必ずそばにいさせます。それは、親だったり、きょうだいだったり、妻や夫だったり、子供だったり、すなわち、家族です。なぜ、その家族が必要かというと、前世を見て陶酔して、現世に戻りにくくなったときに、最愛の人が呼ぶと戻ってきやすいからです。全身をフェルトで包んで仰向けにしておきます。そして、頭と足のところにお水を置きます。
前世を見せる力を身に付けるのは、そう簡単ではなく、修行しなければなりません。3年間、人の声、犬の吠える声を聞くことがない状態で、お経を唱え続けることが必要です。
写真は大黄です。青海省に住む先生に送られてきたものです。どうもありがとうございます😊