シャマンの道具は、自ら動き出すということとは
ホルチン地方のシャマンは、病気治療や祭祀儀式を行うときに、さまざまな道具を使います。その中に、シャマンのお守りで、治療道具でもある銅製の神像があります。それをフレル・オンゴッドと言い、省略して、オンゴッドと称します。シャマンは、首からペンダントのようにかけたり、お碗にお米を入れて、その上から挿して祭壇に安置したりします。また、力のあるシャマンがこの銅製の神像に霊界の守護霊を憑依させると、自ら動きだして、歩いたり、治療に行ったりすることができると言われています。実際に、野外で歩いているのを実験した人にもお会いしたことがあります。また、銅製の神像がいかに治療に行くかというと、悪霊に取り憑かれて、苦しんでいる患者がシャマンのところに来れない場合、シャマンは、この銅製の神像を遣わして、患者の体に憑いている悪霊を追払ってもらいます。 この銅製の神像は、中国の遼代 (916-1125) に良く見られまして、護符として用いられました。出土品も多いです。実は、中央ユーラシアの草原地帯に分布する石人とも繋がっています。林俊雄先生の『ユーラシアの石人』(2005 雄山閣)も興味深くて貴重な本です。
なお、銅製のオンゴッドについて詳しく知りたい方は、サランゴワ著2019『ブォ・シャマニズムの現在―内モンゴル・ホルチン地方の新地平』pp.593-616 (牧歌舎)をご覧くださいませ。本書のシャマンのライフヒストリーと治療にもよく登場します。また、書籍のお買い求めは、ブッククラブ回のオンラインショップからどうぞ。
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